「新基準原付・まとめ」必要な免許は?車種は?特徴や価格も分かる3つの基礎知識とメリット&デメリット

2024年4月5日金曜日

原付50CC

t f B! P L

人気スクーターPCXが原付免許で乗れる⁉︎

2025年11月スタートの排ガス規制に向けた〝新原付〟の予習に

2023年12月、日本のミニバイクに大きな変革が訪れました。

警察庁が、2025年11月にスタートする新排ガス規制を前に道路交通法などを改正して車両区分を見直す方針を示しました。


125CC以下のエンジンを原付一種と同等の最高出力4kW(5・4ps)に抑えた「新基準原付」を導入する方向になったんです。


「新基準原付」は、最高出力(馬力、パワー)は原付一種と同レベルながら排気量125CC以下のエンジンを積んでいます。


だから125CCバイクのトルク(瞬間的な加速力)がある「原付一種」になるんです。


この一報を聞いたミニバイクファンからは、


新基準原付って、どんな免許で乗れるの? 価格はいくらくらい?


新基準原付になると、どんなバイクに乗れるの?


今の原付一種と比べて、新基準原付の特徴は? 走りはどんな感じになるの?


なんて声がたくさん飛び交っています。


この記事では「新基準原付」に関する上記のような疑問が解消できる


  1. 「原付免許」で乗ることができて価格は「現行原付一種」並に
  2. 小型二輪の人気車種が「原付一種」として乗ることができそう
  3. 5車種の試作車の運転特性は原付一種と「同程度」の評価

上記の3つの基礎知識それぞれのメリット&デメリットを紹介&解説します。


この記事を読めば「新基準原付」に必要な免許乗ることができるバイク特徴、気になる価格が分かる。


さらにメリット&デメリットも紹介するので、「新基準原付」の購入を検討している人には参考になりますよ

改めて「新基準原付」とは ⁉︎


大人気のヤマハ・ビーノも2025年で生産終了する方向

当ブログでも「原付50CC」カテゴリーで紹介してきましたが、ここでは改めて「新基準原付」について説明します。


そもそも話の発端は、2025年11月に始まる排ガス規制。


現行の原付一種では基準をクリアできない上に、クリアできるエンジンを開発するとコストが高くなりすぎることが問題に…。


バイク業界側が原付二種の活用を要望したのを受け、当局も道路交通法などを改正して車両区分を見直すことに。


さらにバイク業界側が現行の原付二種の車種( M T & A T 車 )の最高出力を原付一種並にデチューン(制御)したバイクを試作


メディアも一斉に「新原付一種案」として「普通自動車免許についてくる原付免許で125CCバイクが乗れる ⁉︎」などと報道。


ミニバイク党からも「原付免許で125CCが乗れるの?」「小型二輪免許を取るのってムダじゃない ⁉︎」なんて声が上がりました。


そんな中、当局が「新基準原付」として導入にGOサインを出したーという経緯です(おおざっぱですが)。


一連の流れをみていて「新基準原付」をめぐるミニバイクファンの発言にはけっこう誤解があるなあ、と。


さらに「新基準原付」にはメリットはもちろん、デメリットも同じくらいあるなあーというのが正直な感想。


また小型二輪乗りのワタシとしても「新基準原付」がどんなバイクになるのか気になるところ。


そこで「新基準原付」についてまとめてみよう、と思ったのがこの記事を書いた理由です。


ここからは「新基準原付」が分かる3つの基礎知識とそれぞれのメリット&デメリットを1つずつ紹介&解説していきます。


1.「原付免許」で乗ることができて価格は「現行原付一種」並に


125CCスクーターがデチューンされて「新基準原付」に


★メリット・「原付免許」で乗れるバイクの幅が広がる


「新基準原付」は〝新しい原付一種〟なので、自動車の普通免許についてくる「原付免許」で乗ることができます。


そして「原付免許」で乗ることができるバイクの幅が広がるのが、メリットの一つです。


「新基準原付」のバイクはおそらく、新たな排ガス規制が始まる2025年11月に合わせて発売されると思われます。


一方で、これまでの原付一種のバイクも店頭に並ぶそうです。


要するに排ガス規制の開始後に基準をクリアできない原付一種を製造・販売しちゃダメということ。


だから規制開始前に製造されたバイクは購入することができるし、乗ることもできるんです。


もちろん、現在所有しているバイクも乗ることができます


「原付免許」で乗れるバイクの幅が広がるとは、こういう意味なんです。


★デメリット・「原付免許」の制約はそのまま


「新基準原付」の最大のデメリットは、「原付免許」で乗れるゆえに原付一種の制約がそのまま引き継がれることです。


「原付免許」で乗れる原付一種の制約といえば、


  1. 公道での法定速度は30キロまで
  2. 3車線以上の道路での右折は二段階右折が必要
  3. 2人乗りは禁止

といったところ。「新原付一種案」の情報が流れた際には「原付免許で125CCに乗れる!」という歓迎の声が上がり、


125CCに乗れるなら、30キロ以上スピードを出せるんでしょ!


125CCなら二段階右折をする必要がなくなるんじゃない ⁉︎」なんて期待の声がたくさん飛び交いました。


でも「新基準原付」はあくまでも〝新原付一種〟。結局、原付乗りの人たちが苦労している制約はそのまま続くんです。


排気量が上がる一方で、車の流れに乗れず道路を走るのに恐怖さえ感じる「原付一種」の制約はそのままという矛盾。


正直いって「変えるべきものが違うんじゃねえの?」という疑問があります。


★メリット&デメリット・価格は50CC並み、もしくは若干の上昇に


気になる「新基準原付」の価格ですが、これまで報じられている情報などを参考にまとめてみました。


まず「新基準原付」の価格のベースになるのが、現行の原付一種バイクの平均価格です。


現在、各メーカーが発売している原付一種はスクーターホンダ・スーパーカブなどのロータリーミッション車だけ。


新車スクーターの平均価格は10万円〜20万円前後といったところ。スーパーカブは24万7500円(税込)。


バイク業界では、「新基準原付」の価格は上記の原付一種の平均価格と同じくらい、もしくは若干上昇するとされています。


大幅な価格上昇にならないとする理由は、ベースとなる原付二種バイクの量産体制が確立されていること。


125CCクラスは世界の各メーカーが力を入れているカテゴリーで、日本の各メーカーも負けずに戦っています。


最高出力を抑えるコストがかかりますが、価格上昇を抑える努力はしてくるはずーという声があります。


2.小型二輪の人気車種が「原付一種」として乗ることができそう


人気のカブの「新基準車」も試作された


★メリット・人気車「PCX」や「カブ」が登場 ⁉︎


日本の各メーカーは、現行の原付二種の車種( M T & A T 車 )の最高出力を原付一種並に抑えたバイクを試作しています。


警察庁によると、その試作車に対し「習熟運転者」(技能試験官)による走行評価と、一般運転者による試乗会も実施。


運転特性が現行の原付一種と比べ「ほぼ同等」と評価(後述)。「新基準原付」にGOサインが出た格好です。


そして、気になる試作車は次の通り。


  • ホンダ・PCX(125CC、スクーター)
  • ホンダ・リード125(125CC、スクーター)
  • ホンダ・Vision110(110CC、スクーター、日本名ディオ110)
  • ホンダ・CB125R(125CC、MT 車)
  • ホンダ・C110(110CC、ロータリーミッション車、スーパーカブ)

5車種がすべてホンダ製! 小型二輪カテゴリーでは国内で最も車種が多いメーカーということが理由だと思われます。


でも、いずれも小型二輪ではポピュラーといえる車種。PCX はスクーターで1、2位を争う人気車。


スーパーカブは商用はもちろん、街乗りやツーリングでも引っ張りだこの万能バイク。


要するに、小型二輪免許がないと乗ることができない人気車が「新基準原付」として乗ることができる可能性があるんです。


★メリット・〝絶滅〟していた原付 MT 車が復活する ⁉︎


「新基準原付」の試作車の情報を聞いて、最も喜んだのは原付一種の MT 車が好きな方たちじゃないでしょうか。


5車種の中で唯一の MT 車として「CB125R」が名を連ねたんですから!


現在の国内で、新車で販売されている原付一種の MT 車はゼロ。原因は度重なる排ガス規制の影響で〝絶滅〟したこと。


バイク市場には中古車しかない状態。そんな状況で、「新基準原付」の試作車として CB125R が登場したんです。


原付 MTファンは「原付免許で新車の MT 車に乗れる!」と期待が高まっていると思います。


そして CB125R は小型自動二輪の中でもフルサイズのロードスポーツバイク(後述)。


しかも車格は250CCカテゴリーの「CB250R」と変わらないサイズ。


このまま「新基準原付」として販売されれば、「原付免許で125CC」いや「250CCサイズ」に乗ることができるワケです。


原付 MT 車ファンには、まさに最大のメリットといえます。


★デメリット・取り回しが厳しくなる ⁉︎


ベースが小型二輪の「新基準原付」は全長や重量など車格が大きくなるので、走行性は大幅に安定することになります。


一方で、車格が大きくなることはデメリットでもあります。コンパクトサイズがウリの原付一種と比べ、デカく感じるからです。


例えば CB125R が「新基準原付」として登場した場合、デメリットはフルサイズであること。


CB125R は、フレームスイングアームなどを250CCカテゴリーの CB250R と共有。


そのため全長は2040mmで同じ。重量は130キロ


現行の原付一種の平均重量が90キロ前後であることを考えれば、デカくて重い…。


原付一種の経験しかない人なら、おそらく取り回しはかなり厳しく感じるはず。


しかもシート高は815mmと高いため足付きが悪い立ちゴケの可能性もあります。


CB125R だけじゃなく、人気スクーター PCX も大きい。


全長1935mm、重量132キロ。現行の原付一種スクーターに慣れている人は取り回しに苦戦する可能性がメチャ高い…。


そもそも小型二輪は運転するために免許が必要。そのために教習所で運転操作を習う必要があるバイク。


バイクの運転は慣れ」とはいいますが、それでもいきなり乗ると怖いかもしれません…


コンパクトな「4ミニ」のモンキー125ダックスグロム(いずれもホンダ)などが「新基準原付」として登場するのを期待したいところです。


3.5車種の試作車の運転特性は原付一種と「同程度」の評価


技能試験官による試作車の走行評価が行われた


★メリット・トルクが上がり安定性が増す


「新基準原付」は最高出力(馬力、パワー)こそ抑えられているけど、現行の原付一種と比べてトルクが上がります


ちなみにトルクは、エンジン1回の爆発で発生するクランクシャフトを回そうとする力のこと。


トルクは排気量に比例します。排気量が大きくなるほどトルクも強くなり、スタートの出足や加速が良くなります


だから「新基準原付」は理論的に、原付一種よりスタートダッシュや加速がいいことになります。


前述した「習熟運転者」による走行評価でも、原付一種と比べおおむね「低中速のトルクがある」と評価。


車種によっては現行の原付一種より「トルクが厚い」「加速できる」といった評価もありました。


ただ逆に、車種によっては「トルクが薄い」「原付一種と同程度」といった声もあったり。


次項では5車種ごとの走行評価を抜粋して紹介します。


★メリット&デメリット・車種によって評価には懸念の声も


警察庁によると、評価はコース走行時の運転特性や引き起こしなど計13ポイントで判定しています。


現行原付と比較した新基準原付の運転特性を5段階で評価。」を「易(やさ)しい」として「」が「同等」、「」が「難しい」としています。


各評価文は公開されている報告書の「自由記述」から抜粋しました。


新 PCX =評価「2.7」


低速トルクがある分、速度が乗りやすく安定感がある。ただトルクの強さが初心者には心配。


アクセル全開で坂道発進する必要があった。


制動がソフトで初心者にも扱いやすい。


新リード125=評価「2.8」


中速のトルクが厚く走りやすい。車両の安定性が増して直線は走行しやすい。


発進時の低速トルクは同程度。制動はよく効くが、その分、不慣れな人はロックしてしまうかも。


坂道発進で力不足を感じた。


新 C110=評価「2.7」


現行 C110よりトルクが薄いが初心者にとっては安全と思われる。


発進時は C50(スーパーカブ50)よりパワーがある。


加速が良いため、赤信号から発進し交差点通過までが運転しやすい。


新 Vision110 =評価「3.0」


重量があるのか、想像より加速しない。出力が抑えられている分、なめらかに発進できる。


坂道発進では、低速トルクの薄さのせいでバランスを崩す可能性がある。


急停止時は前後輪ブレーキともに効きが悪い。


新 CB125R =評価「3.0」


コース走行時はやや力不足を感じる。トルクが細すぎるので発進時のバランスが安定しにくい。


停止時の制動はソフトに効く。赤信号からの発進時に加速しやすく通過しやすい。


低速トルクの薄さのせいで、坂道発進時にバランスを崩す恐れがある。


理論上は原付一種の2倍以上になるトルクが「薄い」とされるのは、車体の重量が制御された馬力に影響していると考えられます。


引き起こし」や「取り回し」に関しては、5車種いずれも「少し重量感がある」と評価されています。


★デメリット・最高速度の向上は期待できない


「新基準原付」のニュースが駆け巡った際、「125C Cになるなら、原付一種より最高速度が上がるんじゃない ⁉︎」。


そんな期待の声が上がりました。さらに「最高出力のリミッターを解除できないの?」という声もありました。


ここまで紹介してきた警察庁の報告書を読む限り、「新基準原付」で出せる速度はあくまでも原付一種と同等」。


いくらトルクが強くても、強さを維持する最高出力(馬力)が抑えられていると最高速度は低くなります


また当局は、最高出力のリミッターをカンタンに解除できないよう各メーカーに対応を強く求めています


こうした状況を考えると、いえるのは「新基準原付」の最高速度は現行原付一種より速くなることはないということです。


最後に気をつけたいのが、発進・停止時などの車体バランスです。


「新基準原付」は全長が長くなるため、走行中のバランスは原付一種より安定しそうです。


でも車体が重くなるため、発進・停止時や低速走行中はバランスを崩す恐れが…


報告書では「乗る前の練習が必要だ」と指摘する意見も掲載されているほどです。


何しろ乗るために免許が必要な小型二輪がベースですからね。


まとめ・「新基準原付」購入を検討する際の参考になる


メリット&デメリットが分かり購入検討の参考になる


ここまで、2025年11月までに登場が予想される「新基準原付」について紹介してきました。


さらに「新基準原付」に必要な免許と乗ることができるバイクや価格、エンジントルクなどの特徴が分かる、


  1. 「原付免許」で乗ることができて価格は「現行原付一種」並に
  2. 小型二輪の人気車種が「原付一種」として乗ることができそう
  3. 5車種の試作車の運転特性は原付一種と「同程度」の評価

上記の3つの基礎知識とそれぞれのメリット&デメリットも紹介&解説してきました。


「新基準原付」は、最高出力(馬力、パワー)は原付一種と同レベルながら排気量125CC以下のエンジンを積む予定。


現在は試作車段階で、いろんな情報が駆けめぐっています。だから、この記事を読めば、


新基準原付って、どんな免許で乗れるの? 価格はいくらくらい?


新基準原付になると、どんなバイクに乗れるの?


今の原付一種と比べて、新基準原付の特徴は? 走りはどんな感じになるの?


なんて疑問がある人なら、悩みが解消できます


記事ではメリット&デメリットも紹介しているので、「新基準原付」の購入を検討している人はぜひ参考にしてください


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