低速で走る狭いカーブは何で怖いんだろう |
中高年ライダーにとって「一本橋」に次ぐ難関教習を克服する方法
バイクの教習所での M T 免許の教習で「一本橋」に次ぐ難関といえば、「クランク」と「 S 字カーブ」じゃないでしょうか?
狭い道幅にパイロンが置かれ、左右2つの直角カーブを通過する「クランク」。
やはりパイロンが置かれ、左右にカーブが曲がりくねったコースを走る「 S 字カーブ」。
低速じゃないと曲がりきれず、低速すぎてもエンストしたりして通過できない。
若いライダーでも苦手な人が多い教習で、バランス感覚や運動能力が衰えている中高年ライダーには難関中の難関。だから、
「クランクと S 字が苦手です…。コツを教えて!」
「クランクと S 字ではギアは何速に入れればいいの?」
「どうしても曲がりきれなかったり、エンストしてしまいます…」
そんな悲鳴がたくさん上がっているんです。かくいうオッサンのワタシも、「クランク& S 字」では苦戦しまくりました。
パイロンを引っかけたり、エンストして立ちゴケしたり。でも苦戦する中で「こうすりゃいいんじゃない?」と試行錯誤してコツをゲット!
この記事では、ワタシのような中高年ライダーが「クランク& S 字」をクリアするための方法として、
- ギアは2速に入れて、スピードは主にアクセルワークで調節する
- コースはアウト・イン・アウトで、カーブの先をガン見する
- ブレーキはリアのみでフロントは握っちゃダメ、絶対!
上記の3つの鉄則について紹介&解説します。3つの鉄則はオッサンのワタシが苦戦しまくった末にたどり着いたモノ。
若い人はもちろん、特に中高年の方には分かりやすいコツになっています。
3つの鉄則を守ってトライすれば苦手意識を克服。難関課題をクリアできますよ。
「クランク& S 字」コースについて
教習所内のS字と8の字コース |
★道幅2メートル&コーンが並ぶクセモノ
「クランク& S 字」コースは、バイク教習の第一段階で「一本橋」をクリアした後に教わる課題です。
いずれのコースも道幅は2メートル。道の両端にパイロンが並んでいて、このパイロンを倒さないように低速で走行します。
【クランク】左右に直角に曲がるカーブが続く隘路(狭い道)を走行。直角に曲がるためハンドル操作が難しい(涙)。
【 S 字】文字通り「 S 」を描くような左右のカーブが続く隘路を走行。カーブが緩やかな分、速度調整が難しい(汗)。
いずれもコース途中で足をついたり、両端のパイロンに触れたり倒したらダメ。
ともに卒業検定の課題で、上記のようなことをやったら一発で失格になります。
★低速でバランスを保って運転する技術を学ぶ
教習所では、ワタシは課題に苦戦しながら「何でこんなところを走らなきゃいけないんだろ?」と不思議に思ってました。
だって、そう思いませんか? 「一本橋」も含めて「 S 字」とか「クランク」なんて、一般道(公道)にはないじゃないですか。
あまりにも難しいんで「オレ、何でこんなことやってんだろ?」と思っちゃいました。
でも苦戦して課題をクリア、卒検もパスしてバイクで公道に出ると「教習所で習ってよかったなあ」と思うことが多いんですよ。
最たるケースが渋滞での低速走行。そしてカーブや U ターンの時。
すべて教習所でエンストしたり、コケたりして痛い目にあいながら覚えた技術が生きているんですよ。
そして痛感しました。教習所の課題って、バイクを低速でバランスを保ちながら走る技術を教えてくれたんだなあ、と。
ここからはワタシが痛感した、「クランク& S 字」コースを克服するためのコツや練習法を説明していきます。
1.ギアは2速に入れて、スピードは主にアクセルワークで調節する
ワタシはクランクが苦手でした |
★1速だとノッキングして不安定に
「クランク& S 字」コースを走る上で、多くの人が悩んでいるのがギアの選択。
ネットを見ると「みなさん、ギアは何速に入れて走っているんですか?」なんて質問の声がかなりたくさんあるんです。
かくいうワタシも、教習所では「何速がベストなの?」と悩みつつ練習していました。
ワタシがお世話になっていた教習所では、教官の人たちの間でも見解が分かれていました。
「1速で走ってください」といい切る人もいれば、「自分が走りやすいギアでいいですよ」という方もいらっしゃいました。
だから当初は「クランク」も「 S 字」も1速で走っていました。
でもアクセル&クラッチワークがヘタだったから、スピードを落とそうとアクセルをちょっと戻すとエンブレが効きすぎてノッキング。
バイクをガックンガックンさせていました(恥)。
走りが不安定だとバランスも崩れる。「クランク」を走っているとパイロンに当たったり、足をついてしまったり。エンストしたり。
自分の運転のあまりの不安定さに、あきれていました。
★間違えて2速でコースに入ったら走りやすかった
でもある日の「 S 字」教習で、いつもなら2速から1速に落としてコースに入るのを忘れて2速のまま進入したんです。
「ヤバっ⁉︎」と思ったけど、スピードを落とすためにアクセルを戻してもノッキングせず、スムーズにコースを通過できたんです。
あまりにも楽に走れたんで「ああ、 S 字では2速でいいんだな」と気づいて、以後は2速で練習していました。
一方の「クランク」は、1速のままでした。
緩やかなカーブが続く「 S 字」と違い、「クランク」では直角にカーブを曲がるためスピードを「 S 字」以上に調整しないといけません。
2速でコースインしてスピードを落としたら「エンストするんじゃないか ⁉︎」と不安だったからです。
でも、やはりギアを落とすのを忘れて2速のまま「クランク」コースに入ったら、エンストもノッキングもなく楽にクリア。
「クランクも2速でいけるじゃん!」とびっくりしました。スムーズに走れた理由は、バイクの低速トルクにありました。
ワタシが通っていた教習所の教習車は「ホンダ C B F125」。
けっこう低速トルクが強い車種で、アクセルは心もち開ける感覚でもエンストせずに粘って走ってくれるんです。
ノッキングせず、バランスよく走れるだけに「クランク& S 字」ではギアは2速で走るのがベストといえます。
★スピード調節は主にアクセルワークで
教習車の低速トルクが強いとはいえ、2速で「クランク& S 字」コースを走る場合はエンストしない程度のスピードが必要です。
そのためのスピード調整は、主にアクセルワークで行うのがベスト。
アクセルを心もち絞るような感じで開けて加速。開けた感じを維持しつつコースを走ります。
【 S 字】
「ちょっとスピードが出すぎかな」と思ったらアクセルを戻しながらスピードを調整します。
スピード調整には「半クラも使え」という人もいます。
でも教習車の低速トルクが強いので、心もちのアクセルワークだけでスピードの調整は大丈夫。
ワタシはアクセルで調整したスピードの惰性でコースを走ってました。
ただコースの入口でスピードが速すぎて曲がりきれないこともあって、リアブレーキも使って速度を調整しました(後述)。
【クランク】
コース入口で「スピードが速いな」と思ったらアクセルを戻すか、半クラでスピードを調整。リアブレーキも使います(後述)。
最初の左折を終えたらアクセルを絞るように開けて、ちょっと加速します。
半クラの場合はクラッチをつなぎます。「2速で低速だとエンストするかも?」と思いますが、トルクが強いので大丈夫。
次の右折が近づいてきたら再びアクセルを戻すか、半クラにしてスピードを調整して曲がります。
スピードとタイミングが合えば、アクセルワークで調節したスピードの惰性でもコースを走りきれますよ。
2.コースはアウト・イン・アウトで、カーブの先をガン見する
カーブ走行で大切なのは目線です |
★バイクにも内輪差がある
「クランク& S 字」でのコース取りは、いずれも「アウト・イン・アウト」で走ります。
教習所で教官の方が真っ先に教えてくれるコース走行でのコツです。
コーナーの入口前までに外(アウト)にふくらんで、外からコーナーの内側(イン)に入る。
コーナー出口から再び外にふくらんで、次のコーナーに備えます。
外にふくらまず内(イン)に寄ってコーナーに入ると、パイロンに接触したり、コーナーを曲がりきれなかったりします…。
原因はバイクにも内輪差があるから。だからパイロンの場合、前輪はぶつからなくても後輪が接触してしまうんです。
この内輪差を解消するために、コーナーには外側から入って内側から抜ける「アウト・イン・アウト」が有効なワケです。
「クランク& S 字」コースを走る上で、「アウト・イン・アウト」のコース取りの効果をさらに高めるコツがあります。
目線(視線)の使い方と頭&上半身をねじる方法です。
★「 S 字」ではカーブの先をガン見する
「 S 字」コースでカーブを曲がる際は、目線(視線)はカーブの先に向けるのが大切です。
カーブに入った際、視線を真っ直ぐ進行方向に向けていると、不思議とカーブを曲がりきれないんです。
ワタシも「 S 字」のカーブで、バイクが進む方向に視線を向けていると曲がれずに縁石に突っ込んでエンストしたり。
「バイクは目を向けている方向に曲がる」とよくいわれますが、ホントその通り。
教官が教えてくれた通り、カーブの先を見つめているとバイクもちゃんと曲がってくれる。
コーナー出口では次のコーナーに視線を向けて、コーナー入口まで進んだらその先を見つめる。
「ちょっとスピードが速くて曲がれるかな?」と怖くなっても、無理やりカーブの先を見ればバッチリ曲がれるんです。
これにアクセルワークやリアブレーキを効果的に使えば、スピードも調節できてスムーズに曲がることができるんです。
★「クランク」では体をねじ曲げてカーブの先を見る
「クランク」でもコーナーを曲がる際は、カーブの先をガン見することが大切です。
ただ「クランク」では直角コーナーを曲がるために、上半身のねじりを使います。
直角コーナーでその先を見つめようとしても、コーナーの縁石やパイロンが目の前に迫ってくる怖さが勝ってしまう。
そのためワタシは曲がりきれず縁石に突っ込んだり、エンストしたりしてました。
視線をカーブの先に向けるためには、上半身をカーブの方向にねじること。
上半身をねじることで頭も連動して曲がり、目線もカーブの先に向けることができるからです。
「クランク」に進入したら、アクセルとリアブレーキで速度調整しながらコース外側へ。
「よいしょ!」と声を出して体&頭をねじりながら最初のカーブに入ります。
声を出すと体が「しっかりねじらなきゃ!」と気合が入る気がしたんです(苦笑)。
カーブを抜けたら再びコース外側に進み、次のカーブが迫ったら再び「よいしょ!」と曲がる方向へ体をねじってコーナーへ。
不思議なくらい「クランク」をスムーズに走り抜けることができますよ。
3.ブレーキはリアのみでフロントは握っちゃダメ、絶対!
クランクとS字コースではよくエンストしました |
★フロントブレーキはエンストの元
ここまで「クランク& S 字」でのスピード調整は、主にアクセルワークと半クラ。そしてリアブレーキを使うと説明してきました。
この項で強調したいのは、フロントブレーキは絶対に使っちゃダメ! 速度調整はリアブレーキだけ! ということ。
理由はフロントブレーキの制動力が強すぎるからです。
走行するバイクを止める際は、主にフロントブレーキを使いつつリアブレーキも併用する感じじゃないでしょうか。
でも「クランク& S 字」など低速で走るシチュエーションでは、フロントブレーキを使うと効きすぎて一発でエンスト。
ワタシは狭いコースの中でエンストして、思いっきり転倒しまくりました(涙)。
一方、リアブレーキは制動力がフロントより弱い。それでも制動力があるのでスピード調整には十分です。
でもリアブレーキでも低速時に「ギュッ!」って感じで強く踏むと後輪がロックしたり、エンストの可能性があります。
リアブレーキにも踏むコツがあるんです。
★軽くじんわり踏むかポンピングで
低速時でリアブレーキを使う際は、じんわりブレーキペダルを踏んだり。
または「ポンポン」と小刻みに踏んだり。自動車の運転でいう「ポンピングブレーキ」ですね。
ワタシはポンピングを使っています。低速でもほどよく減速できる上にスピードを維持することができるから。
「 S 字」でも「クランク」でも、コース進入前にアクセルで加速した直後にポンピングでスピードを調整するといい感じなんです。
バイクでの通常の走行時にリアブレーキを強く踏むと後輪がロックして滑り、転倒する恐れがあります。
こうしたケースでも、ポンピングでまず減速することで余裕ができて、フロントとリアでスピードを殺してスムーズに停止できる。
また通常走行でカーブを曲がる際も、ポンピングでスピードを少しずつ殺しています。
後輪にグリップが働いて、コーナーで滑って転倒するリスクが少なくなるからです。
だから低速走行でも通常走行でもリアブレーキ、特にポンピングを使うとスムーズに減速や停止をすることができるんです。
★感覚をつかむために反復練習
ここまで紹介してきた3つの鉄則は、「クランク& S 字」コースが苦手という方には参考になる内容です。
特にワタシのようなバランスや運動能力が衰えている中高年ライダーには、とても有効なコツだと思います。
この3鉄則を体にたたき込むためにも、反復練習が必要です。
でも教習所での練習は、とことん反復すると時間やお金がメチャかかる。
だからワタシは夜などに原付一種の M T 車で、車や人通りの少ない近所の公園の駐車場で練習していました。
駐車スペースの白線で、教習所の「クランク& S 字」コースをイメージしながら走行。
教習所の「 S 字」は左折して入るコースだったので、そのコースをイメージして運転しました。
アクセルとリアブレーキで低速のスピードを一定にして、カーブの先を見つめながら曲がる。これの繰り返し。
時どき気分を変えて、右折してコースに進入して走ったりもしました。
「クランク」は駐車場のちょっと広めのスペースを利用して、直角カーブをイメージして低速で左右に曲がる練習法を繰り返しました。
これは教習所の教官に教わった方法で、ここでも曲がる方向に上半身と顔をねじって「よいしょ!」と声を出して曲がってました(笑)。
自主練で気づいたことを教習所のコースで確認したり、試したり。練習を重ねるとともに走行の精度も上がっていきました。
そのおかげで Uターンが得意になりました(笑)。
左折して「 S 字」コースに入るケースだと、コース手前から最初のカーブの出口まで一連の左カーブになります。
だから最初のカーブを抜けると Uターンするるかっこうになるんです。
教習の第二段階で「高度なバランス走行」という課題があります。この課題の中に Uターンがあるんです。
Uターンはかなり難易度が高め。低速で方向転換するのでエンストしがちで、立ちゴケするリスクが高い。
だから教習課題になっているワケですが、ワタシは自主練でやっているのでスムーズにできました。
卒業後に痛感してますが、教習所の課題ってホント公道で役に立つと思います。
まとめ・3鉄則を守れば中高年でも難関をクリアできる
教習車の「ホンダCBF125」。お世話になりました |
ここまでバイク教習の難関といえる「クランク& S 字カーブ」を克服する方法について紹介してきました。
そして「クランク& S 字」をクリアするためのコツとして、
- ギアは2速に入れて、スピードは主にアクセルワークで調節する
- コースはアウト・イン・アウトで、カーブの先をガン見する
- ブレーキはリアのみでフロントは握っちゃダメ、絶対!
上記の3つの鉄則について解説してきました。
何しろ「クランク& S 字」は、教習課題でも最難関「一本橋」に次ぐ難易度の高さがあります。
若い人でも苦手な人がけっこう多くて、ワタシのようなバランス感覚や運動能力が衰えている中高年ライダーには難関中の難関。
でもこの記事で紹介した3鉄則は、ワタシがエンストさせたり立ちゴケしたり痛い目にあいながら気づいた攻略のコツ。
ワタシのようなおっさんでも簡単に実践できて、難関をクリアできる鉄則なんです。だから、
「クランクと S 字が苦手です…。コツを教えて!」
「クランクと S 字ではギアは何速に入れればいいの?」
「どうしても曲がりきれなかったり、エンストしてしまいます…」
なんてお悩みの方にはピッタリの解決法なんです。
ワタシは運動能力やバランス、集中力も衰え、「一本橋」で落ちまくり「クランク& S 字」で大苦戦したおっさん。
そんなおっさんでも3鉄則を守って練習したら、免許が取れたんです。
お悩みのみなさんがこの記事を参考にされて、目標の免許を獲得されるのを願うばかりです。
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