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一本橋を渡り切った瞬間はメチャ最高! |
衰えまくり&鈍りまくりのバランス感覚を取り戻す
バイクの免許を取るため教習所に通っている人にとって、最も難しくて苦手に感じる教習課題といえば…。
何といっても、第一段階で登場する「一本橋」じゃないでしょうか。
「こんなのカンタンじゃん!」という人もいると思いますが、いろんな世代から「一本橋のコツを教えて〜!」なんて悲鳴をよく聞きます。
そして特に中高年! ワタシのようなオッサンには難関中の難関! めっちゃ苦戦しましたよ(涙)。
加齢のためバランス感覚が衰えまくり&鈍りまくりなだけに、教習での最難関課題といっていいほど。だから、
「加齢のせいか一本橋のバランスがつかめなくて、先の課題に進めない…」
「一本橋を意識しすぎて、両腕がガチガチ。ハンドル操作ができないんです」
そんな声がたくさん聞こえてくるんです。
この記事では一本橋を攻略するためのコツと効果的な練習法について、
- ハンドルグリップをリラックスして握るための方法
- 真っ直ぐ進むため自転車を使って点字ブロックを走る
- 原付50C C に乗って低スピードで白線の上を走る
上記の3つの練習法について紹介&解説します。
この3つは苦戦しまくったワタシが実践したらメチャ効果があり、一本橋を攻略できた練習法なんです。
だから一本橋が苦手な人はもちろん、特にワタシのような中高年ライダーで失敗しまくっている方にオススメです。
鈍っていたバランス感覚も戻ってくる上に、一本橋から先の教習課題をクリアするためのコツにもなりますよ。
みんなが苦戦する一本橋って、どんな課題なの?
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最初はコースが細すぎて無理っ!と思いました |
★幅30センチ&長さ15メートルのニクいヤツ
今さらかもしれませんが「これから教習所に通う予定」という人もいらっしゃると思うので、「一本橋」についてカンタンに説明します。
一本橋は、幅が狭い直線コースを落ちず(脱輪)に低速で走り切る教習。
コースは、幅30センチ×長さ15メートル×高さ5センチの鉄板(平均台とも呼ばれてます)になります。
バイク免許のカテゴリーごとに、目標の通過タイムが設定されています。
- 普通自動二輪(小型限定、〜125C C)5秒以上
- 普通自動二輪(〜400 C C )7秒以上
- 大型自動二輪(400 C C 〜)10秒以上
3カテゴリーはいずれも M T、A T を含みます。
一本橋は卒業検定の課題でもあって、コース途中で落ちたら一発不合格になります。やり方は次の通り。
- バイクにまたがり、鉄板コースの3メートル手前で停車。左右と背後の安全を確認する。
- ギアは1速で、アクセルを開けてスタートし一気にコースに乗り上げる。
- アクセルは開けたまま一定の速度で、半クラッチやリアブレーキを使ってスピードを調節。
- 目線はバイクの前輪より先に向けて、落ちないようにコースを渡り切る。
一本橋は第1段階の初期に課される教習。小型 M T 教習だったワタシは、いきなり1限目で遭遇。大苦戦しました(涙)。
★教習初日でいきなり挫折
「一本橋がうまくいかない」と悩んでいる人が脱輪するパターンは、主に4つあるとされています。
- スタート後に鉄板コースに乗れず落ちる。
- コースに乗った直後に失速するか、バランスを崩して脱輪。
- コース途中で失速するか、バランスを崩して落ちる。
- コースの最後に失速するか、バランスを崩して落ちる。
4パターンのうち、1と2の原因は明白。スタート時の加速不足です。
スタート時にある程度のスピードがないと、コース乗り口で高さ5センチの段差を乗り上げる衝撃に負けて落ちるんです。
4は、一本橋をある程度渡れる人が「目標タイムを稼ぎたい」と速度を落とし粘りすぎて落ちるケース。なので心配なし。
1と2のケースを回避するため、教習所の教官は「スタートは勢いよく、コースに乗ったら速度を調整」と教えてくれます。
さらに「低速に自信がないなら一気に渡って。卒検では目標タイムより速くなるから減点されるけど不合格にはなりません」。
ワタシは加速してコースに乗ることはできるんです。でもコース中ほどで落ちてしまう。
余裕がなくてあわてているので減速できない。だから一気に渡ろうとしました。
でも途中で左か右にバイクが寄ってしまう。そんな時はハンドル操作で進行方向を修正するんですが、それができずに脱輪…。
教習の初日にいきなり挫折。まったくクリアできる気がしなくて、その後も尾を引きました。
そんな情けないワタシが、どうやって一本橋を克服したのか? 次項から説明していきます。
1.ハンドルグリップをリラックスして握るための方法
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教習当初のワタシのグリップの握り方。ガッチガチ |
★緊張で両腕がガチガチに
いくらやっても一本橋から落ちちゃうので、当然ながら教習は延長しまくり。第一段階のⅠ時限目からまったく進めない。
めちゃヘコむし「もうやめようかな」と心が折れかかりました。でもやめたらカッコ悪いし、お金ももったいない。
だから冷静になって、自分なりにうまくできない理由を思いつくままにあげてみました。
- 緊張で腕がガチガチになって、ハンドル操作ができない。
- 緊張でアクセルとクラッチワークがうまくできない。
- アクセルとクラッチワークができないから速度調整ができない。
- ハンドル操作と速度調整ができないから、バイクがコースの右か左に寄っても修正できない。
だから途中で脱輪する、と(涙)。
冷静に振り返ってみると、自分なりに課題が見えてくる。だから、1つずつ課題を潰していきました。
まずは、なぜ「腕がガチガチに」なるのか?
★原因はグリップの握り方にあった
実は教習中に、教官からハンドルを握る手から腕にかけての注意を受けていました。
「手首と腕が一直線になってますね。それじゃアクセルも回しにくいし、ハンドルも切りづらいでしょ?」と。
修正点も「グリップを握る手首を上に反る感じになるように握ってください」と。
確かに手首と腕が一直線になっているから、ハンドルもアクセルも操作しづらい。
そこで手を上に反る感じにすると、確かに両腕に余裕ができる感じ。でも気がつけば手と腕が一直線に戻っている…。
「どうすればいいのかね…」と困惑しました。でも、便利な世の中になりました。
「 YouTube に『グリップの握り方』なんて動画ないかな?」と探したらあるんですよ、ちゃんと。
「マッスルバイクちゃんねる」さんの「正しいアクセルの回し方と握り方」。
実際に教習所のバイク教官をされている方のチャンネルで、バイクの運転技術やノウハウなどを発信しています。この動画によると、
- アクセルの握り方は、古いドアノブを握る時の形で。
- 小指、薬指、中指と親指は握り込んでいいけど、人差し指はフリーな状態にする。
さっそく試してみたら「なるほどなあ!」。まさに目からウロコでした!
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「ドアノブ」グリップは手首が上に反りかえります |
★自然に手が反りかえる
実際にやってみてください! 「ドアノブ」の握り方って、骨格的にも理にかなっているんですよ。
グリップを握らずとも、手をグーの状態にして人差し指だけフリーにしたら自然に手首が反るんです!
そして「ドアノブ」の指でグリップを握ると、両腕も伸びきらず自然にゆったりとしてくる。
だから緊張してても、以前のようにガチガチになった手と腕が一直線に伸び切ってない! なのでハンドルも自然に切れる感じ。
両腕が自然な感じになると、体の緊張もほぐれてきます。両肩からも力が抜けて自然な形に見えてくる。
教官からも「いい感じになってますよ」といってもらえました。
そしてこの「ドアノブ」のグリップ、アクセル&クラッチワークでも有効に働いてくれるんですよ(後述)。
2.真っ直ぐ進むため自転車を使って点字ブロックを走る
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歩道の点字ブロックが一本橋コースになるんです |
★点字ブロックに活路を見い出す
ハンドルグリップをリラックスして握ることと同時に、鉄板コースをどうすれば真っ直ぐ走れるか考えました。
鉄板コースに乗ることはできていたけど、右か左に寄っていって真ん中あたりで落ちてしまう。
まだこの時点では、アクセルと半クラの操作を見直すまで余裕がなかった。
なので、とりあえず真っ直ぐ走り切れるように練習しようと決意しました。
でもお金も時間も足りないから、そうそうひんぱんに教習所へ通うわけにはいかない。
近所に一本橋を練習できる、ドライビングスクールのような施設があるか探したけど見当たらない。
「何かいい方法はないかなあ」と思っていたら、あったんです。いつも行く最寄駅への歩道の上に。
歩道の上に敷かれている「点字ブロック」です。
★30センチ×30センチのニクいヤツ
点字ブロックは、視覚障害のある方が歩道を歩くための誘導ブロックです。
そう、歩道の真ん中寄りにあって進行方向にズラーっと続いている黄色いブロック。
ブロック1枚は、30センチ×30センチの正方形。歩道にはこれがズラーっと道沿いに並んでいるわけです。
歩道が真っ直ぐだと、まさに一本橋のコースに見える。だって、にっくき鉄板コースの幅は30センチですから。
距離は歩道の長さ次第だけど「この木から、あそこの木まで」と決めれば、立派な一本橋コースが完成。
このコースを自転車で走ってみたワケです。
最初は、やっぱり真っ直ぐ走れない。鉄板コースと同じように左か右に寄ってしまって、目標までにコースアウトしちゃう。
でも何度も練習をこなして感覚を体で覚えることが最も必要だと思って、めっちゃ繰り返しました。
当然ながら歩道は歩行者優先。人がいないタイミングを見計らったり、誰も歩いていない深夜にペダルをこぎまくりました。
「点字ブロック」走行をする際は、必ず周囲の安全を確認してください。
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見事な一本道、いや一本橋です |
★体のバランス感覚を取り戻す
同時に体のバランス感覚を取り戻す練習もしました。
教習所で教官から「年をとると三半規管が衰えてきて、バランス感覚も鈍ってきます」と指摘をいただきました。
同時にバランス感覚を鍛える方法も教わりました。方法はカンタンでお手軽。タイムを決めて片足で立つこと。
例えば10数える間、がんばって片足立ちすること。右足立ちをしたら左足立ちと、交互に繰り返す。
教官も昇級試験などで「片足で10秒ずつ立ってみて」とバランス感覚をチェックされるそうです。
このチェックに備えて、実際に行っている練習法だそうです。空き時間でいつでもできるので、何度もやってみました。
点字ブロック走行と片足立ちを繰り返していたら、しっかり効果がありました。
バランス感覚が衰えまくったオッサンでも、真っ直ぐ走れるようになってきた。
そして教習所の一本橋も、次第に渡り切ることができるようになってきたんです。ただ成功率が上がらない…。
ワタシはアクセルと半クラ操作に自信がなくて、幅30センチのコース上を低速で走るのも怖さがあった。
だから一気に渡ろうとしてたんですが、5回挑戦して1〜2回の成功って感じ。
教官から出された「5回中3回成功ならOK」という条件をなかなかクリアできなくて…。
3.原付50C C に乗って低スピードで白線の上を走る
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こんな練習場があるといいなあ |
★渡り切るには速度調整が必要
一本橋を渡ることだけはできるようになりましたが、成功率が低すぎる…。
真っ直ぐいければ渡れるけど、右左にそれたら修正できずに脱輪。またまた冷静になって原因を考えました。
- コース上であわててしまって、ハンドルを操作する余裕がない。
- あわてる理由は、コースに乗る際のスピードをそのまま維持しているから。
- 速度を維持しているのは、一気にコースを渡り切るため。そしてコース上での速度調整に怖さを感じている。
YouTubeの一本橋動画も参考にしました。みなさんアクセルと半クラワークなどで速度調整してコース修正して走っている。
「一気に渡るのはやめて、速度調整してみようかな」と考え直しているところで、教官からありがたいアドバイスをいただきました。
「白線の上をギアを1速にして走ってみましょう」
白線は、道路の中央線や左端に敷かれているやつ。幅は一般的に15センチとされています。
「速度調整はアクセルを一定にしてクラッチ(半クラ)で。多少は白線の上をはみ出してもだいたい30センチ以内におさまる感じで」
やってみたら拍子抜けするほどカンタン。考えてみれば、原付の M T 車に乗っている時に渋滞などでは半クラを使って走ってるワケですから。
「何で低速で走るのを怖がってたんだろう?」。まあ未知の世界に遭遇した緊張からでしょうね(苦笑)。
★エイプ50で徹底的に白線の上を走る
幸いなことに、教習当時のワタシの愛車はホンダのエイプ50。5速リターン式ギアのミニスポーツバイク。
この愛車で徹底的に練習してみようと決意しました。ただ練習場所をどうするか?
昼間は公園などの駐車場を使わせてもらいました。
当然、人や車がまわりにいない場所やタイミングを見計らって。施設側の迷惑にならないよう細心の注意を払って。
ただ駐車場だと、白線の距離が短いケースが多い。「もう少し長い距離を走りたいな」と。
だから夜になると車の通りが少ない道を見つけて、道路の左端の白線=「路側帯」の上をひたすら走る。やり方は、
- スタート時は、教習所の鉄板コースの段差に負けないように加速して乗り上げるイメージをもってアクセルを開ける。
- コースに乗った直後をイメージして、アクセルを少し戻して一定にする。スピードが上がってきたら半クラで減速。
距離は「スタートからあの木まで」と決めたり。長い時は信号に引っかかるまで100メートルくらいゆっくり走ったり。
車が近づく気配があれば、すぐ左ウインカーを点灯してストップ。車がいなくなってからリスタートしたり。
速度調整では半クラを使うほかにも、しっかりニーグリップしてリアブレーキを軽くポンポンと踏む感じで減速したり。
「白線走行」をひたすら繰り返していると、コースから左右に寄りそうになってもハンドルで修正することもできるようになる。
当然ながらグリップは「ドアノブ」の握りで。両腕がリラックスすると両肩も力が入らない。
かなりいい感じで白線上をゆるゆると走ることができるようになりました。
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白線の上をゆっくり走る |
★教習所の一本橋が得意に
白線走行の練習効果を確かめるべく、教習所の一本橋コースにトライ。
これがウソのようにカンタンにできるようになりました。
停止線から一気に加速して鉄板の段差を乗り越えたら、アクセルを少し戻して一定に。
「ちょっと速いかな?」と感じたら、半クラにしてスピードダウン。遅くなりすぎたらクラッチをちょっとつなぐ感じで。
左右に寄りそうになったらハンドルを心持ち切るような感じで修正。「ドアノブ」グリップなのでハンドルの操作もちゃんとできる。
成功率と精度は上がって5回乗って5回とも成功。タイムも小型自動二輪の規定の5秒台。
合格のハンコをもらって以降は一度も落ちることなく、むしろ得意になりました。
教官によると、スタートで加速してコースに乗ってから速度を調整すれば、自然と5秒で渡れるようになっているそうです。
YouTubeなどでは、ほかのコツとしてハンドルを小刻みにプルプル切ったり、リアブレーキで速度調整する方法を紹介しています。
小型自動二輪の場合、ワタシが実践した方法だけで規定タイムで走れるので上記の方法は使いませんでした。
でも普通二輪の規定タイム7秒以上や大型の10秒以上をクリアするには、リアブレーキでの速度調整は必要になります。
そのうちワタシも7秒台、10秒台に挑戦してみたい。今では恐怖感はなく「また一本橋やってみたいな」と思ってます。
まとめ・中高年でも最難関・一本橋は攻略できる
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一本橋での低速走行は他の教習でも役立ちます |
ここまで、バイクの教習で最難関とされる一本橋を攻略するための練習法について紹介してきました。
特に、加齢でバランス感覚が鈍りまくり&衰えまくりな中高年に有効なコツと練習法として、
- ハンドルグリップをリラックスして握るための方法
- 真っ直ぐ進むため自転車を使って点字ブロックを走る
- 原付50C C に乗って低スピードで白線の上を走る
上記の3つの練習法について解説してきました。
苦戦しまくったオッサンのワタシがこの3つの練習法を実践した結果、一本橋の攻略に成功。効果はバツグンです!
だから一本橋が苦手な人はもちろん、特に中高年ライダーで失敗しまくっている方にオススメ。
中高年ライダーの方でも絶対に一本橋を攻略することができます! 鈍っていたバランス感覚も戻ってきます。だから、
「一本橋のコツを教えて〜!」
「加齢のせいか一本橋のバランスがつかめなくて、先の課題に進めない…」
「一本橋を意識しすぎて、両腕がガチガチ。ハンドル操作ができないんです」
なんて悩んでいる方は、ぜひお試しください。きっといい結果が出ますよ!
一本橋を低速で走ることは、ここから先の教習課題にも生きてきます。なぜなら、教習所はバイクを低速で走る技術を教えてもらう場所だから。
バイクは速度が上がるにつれて安定する乗り物。逆に低速では不安定になります。
だから渋滞など低速で走る状況が多い公道を安全に走る上で、低速で走る技術は絶対に必要なんです。
ワタシは一本橋や他の課題を通じてこのことに気づき、公道を走っている今は「教わってよかった」と感謝しています。
最後に。この記事で紹介した「点字ブロック」&「白線」走行を実践する際は、必ず周囲の安全を確認して行ってくださいね。
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